東日本大震災におけるつくばエクスプレス

TXレポート

3月14日

地震に伴う首都圏の電力不足は12日から懸念されており、3月13日夜、東京電力は輪番停電を首都圏で実施すると発表しました。沿線自治体では荒川区、八潮市、三郷市が第5グループ、流山市、柏市、守谷市、つくばみらい市、つくば市(の一部)が第1グループとされ、翌朝から時間差での停電が予定されました。
それに伴って、TXは、第1グループが停電する前後の6時半~10時半(午前の停電)、第1・5グループが停電する前後の14時50分~21時(午後の停電)に全線で運転を見合わせることになり、始発から各駅に掲示が出されました。
一方、他交通機関では、常磐線の松戸以北、東武野田線、関東鉄道常総線が運転を見合わせることになりました。TXはかなりの混雑が予想されるため、他社線からの振替輸送は行わず、女性専用車の扱いも停止されていました。


始発から各駅に掲出された紙。一部の紙では午後の停電に伴う運休時間帯が、15時~20時と書かれている上に14時50分~21時と上書きされており、運休時間帯に変更があったことが分かりました。

その後、14日の早朝に6時半からの輪番停電が中止され、TXは午前中の停電が回避されました。6時の時点で各駅の掲示は書き換え済みで、始発から14時50分までの間、平常ダイヤでの運行が行われました。


午前の停電に伴う運休がなくなり、訂正された紙。


昼ごろに貼られた運休時間を示す紙。

午後の停電では、停電直前まで列車を途中駅止まりとして運転し、停電直前に全列車が終着、復電後に順次運転再開となりました。そのため、普段は見られない行先で多数の列車が運行されました。


14日の運行ダイヤ。
下りは秋葉原発14時から、快速つくば、普通守谷、普通流山おおたかの森、区快柏の葉キャンパス、普通八潮、快速南流山、普通南千住、普通浅草の順で運行されました。
一方、上りは守谷14時から、普通秋葉原、快速秋葉原、普通八潮、区快北千住、普通八潮、普通流山おおたかの森、快速南流山、区快守谷(守谷14:47分着)の順で運行されました。


時刻的に変則行先列車の第一陣となった69Fによる4050列車(区快北千住)。
列番は変更なく運行されていました。以下、全て守谷駅での写真です。


駅の発車標。4番線は変則行先となっています。3番線は次発の普通秋葉原行を回送として表示していますが、次々発の運休列車は変更がかかっておらず、秋葉原行のまま表示されていました。


守谷発秋葉原方面最終列車となった67Fによる3032列車(快速南流山・ドラえもんスタンプラリー号)。車庫公開が脳裏をよぎりましたが、あまりにも急変した現実に驚きました。

ドラえもんスタンプラリーは地震の影響で中止となり、67Fも3月末までにヘッドマークが外されました。筑波山梅まつり号だった61Fと同様、HMステーは残されています。

3月15日~3月16日

首都圏の輪番停電は15日以降も続きました。鉄道の場合はダイヤというものがあり、輪番停電で一部時間帯の運転を見合わせることになると、毎日のようにダイヤを作り直すことになります。非常に不都合な事態であり、14日には国土交通省が、節電と引き換えに公共交通機関の停電時間帯なくすことを要望しました。
鉄道会社との交渉は14日から始まり、JRの幹線などでは15日から本数を大幅に間引いた上で終日運転を行うことになりました。しかし、つくばエクスプレスは変電所の分離が上手くなされず、15・16日も輪番停電の予定に併せて運休を行い、更に運転本数を間引くことになりました。これは技術的問題や政治力など、様々な要素が影響したものと思われます。

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