3月13日
復旧作業の進捗により、6時半ごろからつくばエクスプレス全線での営業を開始しました。運行は基本的に秋葉原~守谷間10分間隔、守谷~つくば間20分間隔で行われ、全て各駅停車でした。
震災後、初の上り列車は守谷から運転され、ダイヤ上は6時31分守谷発(実際には36分ごろ発車)でした。守谷駅発車直後から35km/hでの徐行運転を行い、流山おおたかの森までの区間を徐行して運行されました。数本後の列車からは守谷駅~軌道損傷個所のみで徐行運転を行うようになったようです。
朝6時過ぎの守谷駅。震災から2日経ち、ようやくシャッターが開きました。
開業日の朝を思い出しました。
初の上り営業列車となった70F。つくば方面の本線から守谷駅に回送で入線してくる様子。
つくば方面から守谷までは試運転列車として走っていたものと推測されます。守谷から客扱いを行いました。
70F到着の直前には、つくば方面の本線から66Fが回送幕で到着し、総合基地へ帰って行くところを目撃しました。閉じ込められていた編成の帰区を含めて、複数の列車が走ったのでしょう。(なお、列番800番台は本来総合基地からの回送列車で、すでに設定が滅茶苦茶になっています)
損傷個所までの間に、前日八潮に留置されていた61F(元梅まつり号)の下り回送列車とすれ違い、いよいよ損傷個所に差し掛かります。
損傷個所は利根川橋梁(背後に見える黒い橋)に隣接する茨城県側の高架橋で、直線区間でした。
見ての通り、高架橋ごと線路方向に圧縮された様子で、枕木方向に変位が生じています。
上り、下り共に35km/hの速度制限がかけられており、臨時の速度制限標、解除標が設置されています。
表紙の画像は下り列車から損傷個所を写したもので、逆側からの撮影です。
徐行区間を過ぎたあと、作業員さんを乗せた54Fの回送列車とすれ違い、徐行のまま流山おおたかの森へ向かいました。
昨日活躍した流山おおたかの森駅の4番線には、52Fが電気を落として留置されていました。
午後にはいなかったので、朝のうちに総合基地へ戻ったようです。
当日のダイヤ。秋葉原~守谷間は10分間隔、秋葉原~つくば間は20分間隔で、秋葉原~守谷間を往復する列車と、秋葉原~つくば間を往復する列車が交互に運行されました。
なお、夜の時点で、前者に03F、11F、12F、53F、59F、65F、後者に54F、58F、60F、62F、63F、64F、66F、69Fが充当されていました。車交がなければ終日運用されていたはずです。
列車番号は、守谷止まりが7500番台、つくば止まりが7000番台で運行されていました。
守谷~柏たなか間に徐行区間があるため、下り列車は守谷駅で6分間、上り列車は流山おおたかの森駅で5分間の停車時間を確保したスジでした。実際には2分未満の遅延だったため、長時間の停車がありました。
営業再開により、つくば市内各駅の断水など、沿線被害の全貌が見えてきました。同時に東北各地の惨状や原発情勢など、先行きが心配になる日でもありました。
13日夕方には、首都圏新都市鉄道から公式に14日朝から概ね平常ダイヤで運行する旨、発表がありました。これで、徐行区間は残るものの3日間で完全復旧を成し遂げるはずでした。
ところがその日の夜、東京電力の発表により、つくばエクスプレスのダイヤの平常化は大きく遠ざかることになります。