TX-3000系1本目となる3681Fが、日立製作所笠戸事業所を出場し、首都圏へ向けて甲種輸送されています。
同車はフルSiCの主変換装置やSynaptraの採用など、搭載機器に大幅な変更がある一方、台車や主回路機器など、TX-2000系と同一品を搭載している箇所もあります。TX-3000系の概要についてまとめます。
下松から吹田貨物ターミナルまでEF210 107、吹田貨物ターミナルからEF66 27が牽引し、EF66 27には2008年度以前の甲種輸送で見られたヘッドマークが掲出されました。
編成
TX-2000系と同様に4M2Tの6両編成で、主変換装置や補助電源装置など、主要機器の搭載位置は変わりません。
一方で、従来編成中2か所だった車椅子スペースが、フリースペースと共に全車へ設定されており、乗車定員が変更されています。外観は海側から撮影したものです。
←つくば TX-3000系 秋葉原→ | ||||||
1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 | 5号車 | 6号車 | |
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TX-3180 | TX-3280 | TX-3380 | TX-3480 | TX-3580 | TX-3680 | |
CT1 | M1 | M2 | M1′ | M2′ | CT2 | |
座席形態 | ロング | ロング | ロング | ロング | ロング | ロング |
空車重量 | 30.4t | 38.0t | 34.7t | 37.7t | 35.2t | 31.5t |
乗車定員 | 140 | 151 | 151 | 151 | 151 | 140 |
主要機器 | CP・BT | CI | CI・SIV | CI | CI・SIV | CP・BT |
備考 | 車イス | 車イス | 車イス 弱冷房車 |
車イス | 車イス | 車イス |
←つくば (参考)TX-2000系・登場時 秋葉原→ | ||||||
1号車 | 2号車 | 3号車 | 4号車 | 5号車 | 6号車 | |
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TX-2150 | TX-2250 | TX-2350 | TX-2450 | TX-2550 | TX-2650 | |
CT1 | M1 | M2 | M1′ | M2′ | CT2 | |
座席形態 | ロング | ロング | クロス | クロス | ロング | ロング |
空車重量 | 30.3t | 38.1t | 34.4t | 38.3t | 34.3t | 30.9t |
乗車定員 | 147 | 158 | 155 | 155 | 158 | 147 |
主要機器 | CP・BT | CI | CI・SIV | CI | CI・SIV | CP・BT |
備考 | 車イス | 弱冷房車 | 車イス |
特徴的な車体肩部のカラー帯の傾斜パターンは、両側面共に3号車~4号車間で変わるようになっています。
車体
従来車と同様にアルミダブルスキンの日立A-Trainとなっており、前面デザインや外装が変更されています。
車内は42インチハーフ液晶が目立ちます。また甲種輸送のためのブレーキ関係の仮設が行われていました。
一部のドア窓は隠されていたので、何らかのサプライズがあるかもしれません。
台車・主電動機
台車は川重製のKW167(M台車)、KW-168(T台車)で、TX-1000系、TX-2000系と同一形式、同一外観です。
主電動機は全閉式誘導電動機に変更されており、無負荷回転音も異なっていました。
主変換装置(CI)
2017年度に54F主変換装置の一部(2354の1群VVVFインバータパワーユニット部)で試行された製品と同じ外観のパワーユニットが、中間車全てに搭載されています。SiC素子の採用が公表済みで、フルSiCの主変換装置と思われます。
TX-2000系と同様に日立製です。
補助電源装置(SIV)
TX-2000系と同様に3号車、5号車に搭載されています。TX-2000系では東芝製でしたが、今回、全国的にも珍しい日立製となりました。国内ではJR東日本のEV-E801系以来の採用と思われます。
こちらもSiC素子の採用が公表されています。
モニタ装置
TX-1000系、TX-2000系では三菱TISでしたが、Ethernetの採用が公表済みで、現車は日立Synaptraとなりました。
両先頭車山側の床下の配電箱(SBB)に銘板があります。
保安装置
ここまで日立製の大躍進でしたが、ATC/ATO装置も三菱製から日立製に変更されています。驚きです。
両先頭車の山側に搭載されています。
主変圧器・リアクトル
TX-2000系と同一外観品(日立製)を搭載しています。
この辺はあまり量産されない装置でしょうね。
電動空気圧縮機・空調装置
クノールブレムゼ製オイルフリー電動空気圧縮機を両先頭車海側に搭載しています。TXではTX-2000系増備編成から搭載されました。
空調装置は従来車と同一外観です。
空調装置は三菱製です。
列車無線装置
TX-1000系、TX-2000系と同様に秋葉原方先頭車に搭載されています。
引き続き日立製です。
パンタ
従来車と同一外観、同一配置で、2号車、4号車に搭載されています。
東洋電機製です。
戸閉装置
TX-1000系、TX-2000系では空気式(東洋電機製)でしたが、軽打した際の移動量から、電気式に変更された可能性が高そうです。
まとめ
TX-2000系から車体の印象を変更しつつも、台車は実績のある従来品を採用しています。搭載機器は極力日立製に変更し、SiC素子やEthernetの採用など、時代に沿った仕様変更を加えています。
TX-3000系は計5編成が新製され、留置線の増設や、変電所の増強と併せて、次期ダイヤ改正で朝ラッシュ時の25本/h化が行われる予定です。引き続き動向はレポートしていきます。
TX-2000系量産 | TX-2000系増備 | TX-3000系 | |
---|---|---|---|
台車 | 同一品 | ||
主電動機(MM) | 誘導電動機 | 全閉式誘導電動機 | |
主変換装置(CI) | IGBT-Si素子(日立) | MOSFET-SiC素子(日立) | |
補助電源装置(SIV) | IGBT-Si素子(東芝) | MOSFET-SiC素子(日立) | |
モニタ装置(MON) | TIS(三菱)・RS485伝送 | Synaptra(日立)・Ethernet伝送 | |
保安装置 | ATC/ATO(三菱) | ATC/ATO(日立) | |
主変圧器・リアクトル | 同一外観品 | ||
電動空気圧縮機 | スクリュー式 | オイルフリー式 | |
空調装置・パンタ | 同一外観品 | ||
戸閉装置 | 空気式 | 電気式? |