2009年6月に独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構の資料から計画の存在が明らかになった、車両基地入出庫線の複線化、守谷追越し設備整備ですが、昨年度に準備工事、本年度に本工事が着工されました。
2013年12月7日現在の状況をまとめます。
守谷駅追越設備工事
守谷駅は2面2線ですが、中央の2・3番線はつくば方の本線に繋がっておらず、追越しができない構造となっていました。
有価証券報告書によると「守谷以遠の各駅から秋葉原方面への到達時間の短縮、守谷以遠における列車の運転間隔の均等化」のため、平成26年11月27日までの工期で、守谷駅北側に2・3番線からつくば方本線へ抜ける片渡り線が整備されます。新旧の配線図はこちらに反映しています。
この区間の工事は首都圏新都市鉄道が直接行っており、首都圏新都市鉄道八潮事務所が発注者となっています。
守谷駅から上り線側を、総合基地方面へ進みます。手前の足場がかかっている橋脚と、更に奥の橋脚が補強対象です。
この部分は上り線、下り線の間に、引上げ線として5番線、6番線がある4線区間です。
先ほどと反対の下り線側を俯瞰してみました。橋脚間に基礎を追加していることが分かります。この区間の直上に新設の渡り線が3つ並ぶ形になりますので、桁の追加、床板の補強が行われます。
現在の線形だと、本線はR=3,200のカーブでありポイントを挿入できないため、曲線をR=2,300に詰めることでポイントを挿入する直線区間を確保する計画です。大工事になりますね。
工事前は駐輪場になっていた高架下ですが、工事完成後は首都圏新都市鉄道の研修所が建設予定です。
入出庫線複線化工事
平成28年3月18日までの工期で守谷駅と総合基地を結ぶ入出庫線の複線化工事が行われます。
「車両故障などのトラブルが発生した場合に入出庫ができなくなるリスクを低減するため」とされており、延長1,381mの線路を鉄道建設・運輸施設整備支援機構が建設します。
引き続き、守谷駅から総合基地方面へ進みます。増設が予定されている土木設備は以下の通りです。
- 守谷駅4線区間の終端
- ↓第二北園高架橋
- ↓守谷東架道橋
- ↓守谷東高架橋
- ↓第二北園架道橋
- ↓第三北園高架橋
- ↓盛土区間
- ↓第四北園高架橋
- ↓第三北園架道橋
- ↓小貝排水路橋梁
- ↓第一筒戸高架橋
- 総合基地引上線の終端
最初の写真から、更に総合基地方面へ進んだ写真です。一番手前の橋脚が4線区間の終端で、ここから第二北園高架橋となります。手前から順に、上り線、入出庫線増設用地、入出庫線、下り線です。
この高架下は駐車場として使われていましたが、現在は橋脚の基礎工事(基礎杭工)が進んでいます。既設の高架橋に挟まれているため、新設の独立した門型脚を、既設の橋脚を避けるように配置する計画です。
第二北園架道橋の直下から、守谷方面へ振り返ります。左から順に上り線、入出庫線増設用地、入出庫線、下り線です。
すでに基礎杭工が行われています。
第二北園架道橋の直下から、総合基地方面を見ます。右から順に上り線、入出庫線増設用地、入出庫線、下り線です。
高架下にある黄色い建物は直流変電所としては最北端の守谷変電所です。
上の写真の撮影場所から、若干右側に移りました。
この区間は、TX高架橋の左右を、都市軸道路が建設予定で、工事ヤードは都市軸道路の上り線予定地に確保されています。写真はまさに上り線予定地の上で撮影しています。
なお、現在の都市軸道路は下り線を暫定二車線にして供用されており、当面は空き地になる予定の場所です。
更に総合基地方面へ進みます。中央の一段下がった線路が現行の入出庫線で、その手前に線路を増設します。
見張り台は、本線上に3か所(1つ上の写真とこの写真に写っているものに加え、小貝川橋梁手前に1か所)、入出庫線に1か所設置されています。
更に総合基地方面へ進みます。撮影位置の左側では、入出庫線は地平レベルまで来ています。ここから地盤が下がるので、入出庫線は第四北園高架橋を通って、総合基地方面へ向かいます。
一番手前の未成の橋脚は都市軸道路上り線のもので、この区間は手前から順に、都市軸道路上り線(未成)、TX上り線、入出庫線増設用地、入出庫線、TX下り線、都市軸道路下り線(暫定二車線)です。
第三北園架道橋の直下から、総合基地方面を見ます。
左側へ曲がっていくのが入出庫線で、直上を新しい入出庫線が通過する予定です。
更に総合基地方面へ進みます。入出庫線工事ヤードを確保するため、この先に迂回道路が建設されました。
守谷駅方面を振り返ります。
左から順に、TX上り線、入出庫線増設用地、入出庫線、TX下り線、都市軸道路下り線(暫定二車線)です。
更に総合基地方面へ進みます。迂回道路と従来道路(直進)の分岐部分。
この区間も引き続き手前側に入出庫線が増設される予定です。
入出庫線をくぐり、迂回道路から総合基地を見ます。
さきほどとは逆に、この入出庫線の奥に新しい線路が増設されます。
入出庫線のうち、増設される側(写真とは反対側)の擁壁の一部は、すでに撤去されていました。新しい入出庫線に再利用されそうですね。
左側と比べて右側では高架橋が狭まっていることが分かりますが、これは入出庫1・2番線が合流するためで、新しい入出庫線が接続するのは写真の裏側です。
総合基地から守谷駅方面を見ます。左から引上げ線、入出庫2番線、入出庫1番線(この辺で入出庫2番線に合流)です。後者の2つは一体的な構造となっています。
新設の入出庫線は引上げ線の高架を延長する形となります。すでに橋脚の基礎工事が進んでいました。