TX-3000系とは?
2012年度まで新製されたTX-2000系をベースに、フルSiCの主変換装置やSynaptraの採用など、搭載機器に大幅な変更がある一方、台車や主回路機器など、TX-2000系と同一品を搭載している箇所もあります。TX-2000系と同様に4M2Tの6両編成で、主変換装置や補助電源装置など、主要機器の搭載位置は変わりません。
秋葉原~つくば間の全区間で活躍する交直流両用車で、2019年度に5本が日立製作所笠戸事業所で新製され、2020年3月14日から営業を始めました。変電所の増強や留置線3本の増設を含めて100億円の投資となります。
従来編成中2か所だった車椅子スペースが、フリースペースと共に全車へ設定されており、乗車定員が変更されています。全車両がロングシートで編成での乗車定員は884名となっています。
編成
←つくば 首都圏新都市鉄道TX-3000系 秋葉原→ | ||||||||
1号車 | 2号車 | 3号車 | 予定 | 予定 | 4号車 | 5号車 | 6号車 | |
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TX-3180 | TX-3280 | TX-3380 |
TX-0000
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TX-0000
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TX-3480 | TX-3580 | TX-3680 | |
CT1 | M1 | M2 | T | T’ | M1′ | M2′ | CT2 | |
座席形態 | ロング | ロング | ロング | — | — | ロング | ロング | ロング |
標記重量 | 30.7t | 37.9t | 34.3t | — | — | 37.6t | 34.8t | 31.7t |
空車重量 | 30.4t | 38.0t | 34.7t | — | — | 37.7t | 35.2t | 31.5t |
乗車定員 | 140 | 151 | 151 | — | — | 151 | 151 | 140 |
着席定員 | 45 | 51 | 51 | — | — | 51 | 51 | 45 |
主要機器 | CP・BT | CI | CI・SIV | — | — | CI | CI・SIV | CP・BT |
備考 | 車イス | 車イス | 車イス 弱冷房車 |
— | — | 車イス | 車イス | 車イス |
編成表
車体
従来車と同様にアルミダブルスキンの日立A-Trainとなっており、前面デザインや外装が変更されています。特徴的な車体肩部のカラー帯の傾斜パターンは、両側面共に3号車~4号車間で変わるようになっています。
車内は42インチハーフ液晶が目立ちます。また甲種輸送のためのブレーキ関係の仮設が行われていました。
搭載機器
台車・主電動機
台車は川重製のKW167(M台車)、KW-168(T台車)で、TX-1000系、TX-2000系と同一形式、同一外観です。
主電動機は全閉式誘導電動機に変更されており、無負荷回転音も異なっていました。
主変換装置(CI)
2017年度に54F主変換装置の一部(2354の1群VVVFインバータパワーユニット部)で試行された製品と同じ外観のパワーユニットが、中間車全てに搭載されています。SiC素子の採用が公表済みで、フルSiCの主変換装置と思われます。
TX-2000系と同様に日立製です。
補助電源装置(SIV)
TX-2000系と同様に3号車、5号車に搭載されています。TX-2000系では東芝製でしたが、今回、全国的にも珍しい日立製となりました。国内ではJR東日本のEV-E801系以来の採用と思われます。
こちらもSiC素子の採用が公表されています。
モニタ装置
TX-1000系、TX-2000系では三菱TISでしたが、Ethernetの採用が公表済みで、現車は日立Synaptraとなりました。
両先頭車山側の床下の配電箱(SBB)に銘板があります。
保安装置
ここまで日立製の大躍進でしたが、ATC/ATO装置も三菱製から日立製に変更されています。驚きです。
両先頭車の山側に搭載されています。
主変圧器・リアクトル
TX-2000系と同一外観品(日立製)を搭載しています。
この辺はあまり量産されない装置でしょうね。
電動空気圧縮機・空調装置
クノールブレムゼ製オイルフリー電動空気圧縮機を両先頭車海側に搭載しています。TXではTX-2000系増備編成から搭載されました。
空調装置は従来車と同一外観です。
空調装置は三菱製です。
列車無線装置
TX-1000系、TX-2000系と同様に秋葉原方先頭車に搭載されています。
引き続き日立製です。
パンタ
従来車と同一外観、同一配置で、2号車、4号車に搭載されています。
東洋電機製です。
戸閉装置
TX-1000系、TX-2000系では空気式(東洋電機製)でしたが電気式に変更されました。
主要諸元
太字はTX-2000系と変更されている諸元です。
走行可能設備 | 電気方式:直流1500V架空電車線方式 交流20000V(50Hz)架空電車線方式 軌間:1067mm |
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車両性能 |
加速度:0.83m/s2(3.0km/h/2) 最高運転速度:130km/h 常用減速度:1.17m/s2(4.2km/h/2) 非常減速度:1.22m/s2(4.4km/h/s) |
主電動機 | HS32532-09RB型全閉外扇形三相かご形誘導電動機 1時間定格:190kW 1100V 2310rpm 4台/両 日立製 |
台車 |
軸梁式ボルスタレス空気ばね台車(ヨーダンパ付き) 動力台車:KW167 付随台車:KW168 川重製 動力台車ブレーキ方式:ユニット式踏面片押しブレーキ方式 付随台車ブレーキ方式:1軸2ディスク+ユニット式踏面片押しブレーキ方式 |
制御装置 |
PWMコンバータ+VVVFインバータ制御装置 2レベルPWM制御 1C2M制御2群/両 応荷重装置と回生制動機能付き 日立製 CII-HR2420P形またはCII-HR2420Q形 SiC素子適用 |
駆動装置 | 中実軸平行カルダンTD(たわみ板)継手式 歯数比:98/15=6.53 |
ブレーキ装置 |
ATC装置連動電気指令式電空併用ブレーキ(回生ブレーキあり) 応荷重装置・電空演算装置・遅れ込め制御装置・滑走防止制御付き 保安・耐雪ブレーキ機能装備 |
集電装置 | シングルアーム式 空気式カギ外し装置付き バネ上昇・空気下降式 東洋電機製 Synaptraによる個別制御 |
補助電源装置 |
ダイレクトPWMインバータ装置(SIV) 200kVA 出力:3相AC440V 延長給電装置付き 日立製 整流装置:DC100V 20kVA 蓄電池:DC100V 100hA |
電動空気圧縮機 | VV180-T形オイルフリー式圧縮機 1300リットル/分 |
空調設備 |
送風装置:両軸式横流ファン(常務員室は片軸式横流ファン) 冷房装置:屋根上集中型ユニットクーラ 48.8kW 5段階制御 全自動空調制御方式(除湿機能あり) 暖房装置:低圧シーズ線腰掛吊下げ型 1000Wおよび750W (乗務員室は遠赤外線ヒータ&電子ファンヒータ) |
放送装置 |
車内放送:各車AVC付分散増幅式(自動放送機能付き) 車外放送:クーラー内蔵型スピーカー(自動放送機能付き) |
保安装置 |
ATC:車内信号(2現示)による高周波連続誘導式 緩和ブレーキ・前方予告・臨時速度制御機能付き ATO:車上制御方式 定速運転機能付き TASC(定位置停止装置)互換 |