常磐新線鉄道事業運営体制整備に係わる調査報告
1994年度からJR東日本、鉄道公団、営団、京浜急行、西武などによる「常磐新線鉄道事業検討委員会」が立ち上げられ、運行計画、鉄道施設計画、要員計画などに関して提言がされました。
24本/hでの運行計画が載っており貴重な資料です。以下報告書から。
※区間通快の場合50分50秒
なお、この提言においてワンマン化による人員削減が初めて盛り込まれ、60キロレールや配線増強などがTXに採用されました。この委員会はTXに大きな影響を与えたのです。
24本/hでの運行計画が載っており貴重な資料です。以下報告書から。
留意事項
- 免許時の需要予測をもとにする。
- 運輸政策審議会で設定している混雑率(180%)以内の確保を図る。
- 通勤ラッシュ時の効果的な在り方を検討する。
- デイタイムにおいて、利便性を加味した効果的な在り方を検討する。
検討結果
- 朝夕の通勤時間帯の効果的な列車本数の設定(1時間当たり朝24本、夕18本)
- 各駅での列車間隔15分の維持
- 秋葉原~つくば間の時間短縮
- 朝の通勤時間帯での高速化の確保
主要区間の所要時分
列車 | 区間 | 通勤時(24本/h) | データイム |
---|---|---|---|
快速 通快 |
秋葉原~八潮 | 17分40秒 | 14分50秒 |
秋葉原~守谷 | 34分30秒 | 29分30秒 | |
秋葉原~つくば | 46分00秒(※) | 41分40秒 | |
各停 | 秋葉原~八潮 | 20分00秒 | 19分40秒 |
秋葉原~守谷 | 54分40秒 | 41分00秒 | |
秋葉原~つくば | 設定無し | 57分00秒 |
なお、この提言においてワンマン化による人員削減が初めて盛り込まれ、60キロレールや配線増強などがTXに採用されました。この委員会はTXに大きな影響を与えたのです。
現有施設での本数の限界
TXの保安システムは車庫を除いてATCとなっており、通常はATO運転を行います。
ATCは東京メトロのシステムを改良した地上主体型のもので、1段制御が可能です。
ATOで運転した場合、守谷以南の理論上の最大本数は1分50秒間隔、つまり1時間当たり32本の運転が可能なように設計されています。もちろん全列車並行ダイヤ、全駅30秒停車の場合です。現有の車両で可能な本数は24本/h程度でしょう。守谷以北は変電所の容量が関係してきますので具体的な最大本数は分かりませんが、上下線合わせて16本程度が限界でしょう。
TXの特徴の1つは「高速運転」ですが、現在の快速の所要時間・停車駅で可能なのは20本/hと言われています。これは快速:普通=1:1の場合です。一部のテストパターンダイヤでは、22本/hで特別快速が45分の所要時間を維持しているダイヤもありましたので、停車駅を見直せば、より自由度の高いダイヤが設定できるでしょう。
ATCは東京メトロのシステムを改良した地上主体型のもので、1段制御が可能です。
ATOで運転した場合、守谷以南の理論上の最大本数は1分50秒間隔、つまり1時間当たり32本の運転が可能なように設計されています。もちろん全列車並行ダイヤ、全駅30秒停車の場合です。現有の車両で可能な本数は24本/h程度でしょう。守谷以北は変電所の容量が関係してきますので具体的な最大本数は分かりませんが、上下線合わせて16本程度が限界でしょう。
TXの特徴の1つは「高速運転」ですが、現在の快速の所要時間・停車駅で可能なのは20本/hと言われています。これは快速:普通=1:1の場合です。一部のテストパターンダイヤでは、22本/hで特別快速が45分の所要時間を維持しているダイヤもありましたので、停車駅を見直せば、より自由度の高いダイヤが設定できるでしょう。
現有施設での速度の限界
TXは160km/hでの走行を想定した路線ですが、実際に160km/hで走れるように設計されているのは八潮(正確には垳高架橋)以北だけです。八潮以北でも速度制限が多くかかるため、現実的に160km/h運転が可能なのは流山セントラルパーク以北となります。
車両については設計時点で140km/h以上での走行は想定されていませんので、速度向上には気密性の強化などの改造が必要です。
車両については設計時点で140km/h以上での走行は想定されていませんので、速度向上には気密性の強化などの改造が必要です。
秋葉原~つくばの最速到達時間は?
2004年10月29日午前、最初で最後の守谷~秋葉原ノンストップ回送試験が行われました。
下り列車を利用した試験では、実際に走行した試運転の中では最速の23分で走破しました。これが守谷以南の最速到達時間でしょう。秋葉原~つくば間のノンストップ走行試験は無かったと思いますが、開業ダイヤの快速とスジを繋げれば36分くらいで走破出来ると思います。
ちなみに、この走行試験の形態から「守谷は技術上通過できない」という話が広まりましたが、私は守谷を高速で通過する試運転列車を見たことがありますので、この話はガセとなります。
下り列車を利用した試験では、実際に走行した試運転の中では最速の23分で走破しました。これが守谷以南の最速到達時間でしょう。秋葉原~つくば間のノンストップ走行試験は無かったと思いますが、開業ダイヤの快速とスジを繋げれば36分くらいで走破出来ると思います。
ちなみに、この走行試験の形態から「守谷は技術上通過できない」という話が広まりましたが、私は守谷を高速で通過する試運転列車を見たことがありますので、この話はガセとなります。
駅間所要時間表
各運用ごとの所要時間を設定する際に使う秒単位のもので、例えば上り快速(秋葉原~つくば)では38分20秒が走行時間となり、残りの6分30秒は停車時間となります。駅の停車時間は、標準では北千住・守谷が70秒、南流山・流山おおたかの森が50秒、その他の駅は30秒となっているようです。
※秋葉原・つくばは着発番線に関係なく、所要時間は同じです。
※八潮・流山おおたかの森・守谷は本線着発所要時間を記載しています。
上りと下りでは所要時間に違いがあるが分かりますね。カーブによる上下線での距離差や速度制限の違い、エアセクションの加速規制などが影響しているのでしょう。下りが遅い傾向があり、普通と区快が10秒、快速が40秒遅くなっています。
少し気になるのが下り快速のつくば到着時です。いくら終着駅の手前とはいえ、区間快速よりも時間がかかるのはどうかと思います。紙にもはっきり2:40と表記されていますが誤植でしょうか。
下り(上から下に走行) | 上り(下から上に走行) | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
普通 | 区快 | 快速 | 普通 | 区快 | 快速 | |
秋葉原~新御徒町 | 2分10秒 | 2分10秒 | 2分10秒 | 2分20秒 | 2分20秒 | 2分20秒 |
新御徒町~浅草 | 2分10秒 | 2分10秒 | 2分10秒 | 2分00秒 | 2分00秒 | 2分00秒 |
浅草~南千住 | 2分30秒 | 2分30秒 | 2分30秒 | 2分30秒 | 2分30秒 | 2分30秒 |
南千住~北千住 | 2分00秒 | 2分00秒 | 2分00秒 | 2分00秒 | 2分00秒 | 2分00秒 |
北千住~青井 | 2分40秒 | 2分20秒 | 2分20秒 | 2分40秒 | 2分20秒 | 2分20秒 |
青井~六町 | 1分30秒 | 0分50秒 | 0分50秒 | 1分30秒 | 0分50秒 | 0分50秒 |
六町~八潮 | 3分10秒 | 2分50秒 | 2分30秒 | 3分10秒 | 2分50秒 | 2分20秒 |
八潮~三郷中央 | 2分40秒 | 2分40秒 | 1分50秒 | 2分40秒 | 2分40秒 | 1分50秒 |
三郷中央~南流山 | 2分20秒 | 2分20秒 | 2分00秒 | 2分30秒 | 2分30秒 | 2分10秒 |
南流山~流山セントラルパーク | 2分10秒 | 1分45秒 | 1分45秒 | 2分00秒 | 1分35秒 | 1分35秒 |
流山セントラルパーク~流山おおたかの森 | 2分00秒 | 1分35秒 | 1分35秒 | 2分00秒 | 1分35秒 | 1分35秒 |
流山おおたかの森~柏の葉キャンパス | 2分40秒 | 2分40秒 | 2分20秒 | 2分40秒 | 2分40秒 | 2分10秒 |
柏の葉キャンパス~柏たなか | 1分50秒 | 1分30秒 | 1分00秒 | 1分50秒 | 1分20秒 | 1分00秒 |
柏たなか~守谷 | 3分50秒 | 3分20秒 | 3分20秒 | 3分40秒 | 3分20秒 | 3分20秒 |
守谷~みらい平 | 4分00秒 | 4分00秒 | 3分40秒 | 4分10秒 | 4分10秒 | 3分40秒 |
みらい平~みどりの | 3分00秒 | 3分00秒 | 2分10秒 | 3分00秒 | 3分00秒 | 2分10秒 |
みどりの~万博記念公園 | 2分30秒 | 2分30秒 | 1分40秒 | 2分20秒 | 2分20秒 | 1分40秒 |
万博記念公園~研究学園 | 2分50秒 | 2分50秒 | 1分50秒 | 2分50秒 | 2分50秒 | 1分50秒 |
研究学園~つくば | 2分30秒 | 2分30秒 | 2分40秒 | 2分30秒 | 2分30秒 | 2分20秒 |
※八潮・流山おおたかの森・守谷は本線着発所要時間を記載しています。
上りと下りでは所要時間に違いがあるが分かりますね。カーブによる上下線での距離差や速度制限の違い、エアセクションの加速規制などが影響しているのでしょう。下りが遅い傾向があり、普通と区快が10秒、快速が40秒遅くなっています。
少し気になるのが下り快速のつくば到着時です。いくら終着駅の手前とはいえ、区間快速よりも時間がかかるのはどうかと思います。紙にもはっきり2:40と表記されていますが誤植でしょうか。