TX総合基地

TX総合基地の概要

つくばエクスプレスの車両基地は茨城県つくばみらい市と守谷市にまたがっており、最寄り駅は守谷です。内部は基地本体(123,280.6m2)と整備工場(40,535.0m2)にわかれ、間に小貝川放水路が流れています。正門の延長線上には調整池(23,121.2m2)があり、それらをまとめて「つくばエクスプレス総合基地」と呼びます。
面積は186,936.8m2で、元々田園地帯だったところに位置します。
インテリジェント車両と協調して、車両情報を収集・管理し、効率的な検修業務を行っています。また、各管理所や指令所が集約され、検修面以外でもTXの中枢としての機能を持っています。
(クリックで拡大)年1回、TXまつりが開催されます。
(クリックで拡大)上空から見た総合基地。

車両基地配線図

車両基地内の主要な建物

総合管理所(第1期工事で建設/3,455.94m2

1階には社内食堂があり、乗務員の休憩施設として使われています。2階には乗務員宿泊所、検車宿泊所、更には浴室もあり、一見すると詰所と変わりません。
実はTXの中枢機能を持っており、2階には車両管理所のほか講習室兼事故対策室など、3階には総合指令所、電気管理所、施設管理所などがあります。そのため自家発電装置も備えています。
特に総合指令所のある3階は機密レベルが高く、計24人しかいない指令所係員は宿泊所、食事室などが留置線側の指令所区画に隔離されていて、指令所への出入りが少なくなるよう配慮されています。

乗務管理所分室(2008年に竣工/485.30m2

2008年に建設された建物です。
守谷駅に「乗務管理所」がありますが、基地内にも分室があったほうが便利なため建設されました。
内部は乗務員の休憩施設になっているようです。
(クリックで拡大)乗務管理所分室。
(クリックで拡大)総合管理所。

検車庫(第1期工事で建設/4,014.15m2

検車庫本体、計測器室、部品修繕室、部品清掃室と内部が分かれています。最初に建設された建物です。
検車庫本体は、北側から、電化されている月検線(26番線)と、架線のない列検1・2線(27・28番線)があり、列車検査や月検査を実施しています。機器の移動用にモートラックが配置されています。
計測器室にはATO試験装置、故障データ読取装置、TISデータ読取装置があり、車両基地内に点在するパンタスリ板計測装置、屋根上監視装置、車輪踏面形状測定装置、制輪子磨耗測定装置、車輪フラット検出装置からの情報が集積されています。「車両検修情報管理システム」への情報は大部分がここから配信されているのではないでしょうか?
部品修繕室は機器の修理を行っており、修理用の機器(ベルトサンダー、直立ボール盤、高速切断機、溶接機、研磨盤など)が配置されています。
部品清掃室は機器の清掃を行っており、ロールフィルター洗浄装置があります。

臨修庫(第1期工事で建設/1,070.99m2

検車庫の南側にある小規模な建物です。比較的大掛かりな工事も施工できます。
天井にクレーン(7.5t)があり、1tの高所作業車とフォークリフト(開業時点では1tと1.5tの2台)が配置されています。台車抜取装置や移動式転落防止柵も用意してあります。
(クリックで拡大)検車庫の内部。
(クリックで拡大)左から臨修庫、検車庫。

工場(第2期工事で建設/8,971.00m2

つくばエクスプレス総合基地では一番大きな建物です。北側半分は機器類の検修場、南側半分は車体検修場になっています。
車両検修場には北側から、電化されている整備線(51番線)と、架線のない入出場1・2線(52・53番線)があり、順に工場A~C線と呼ばれています。主に全般検査、重要部検査を行っており、3両ずつに分割してから入出場1・2線に分けて検査をします。
機器類の検修場は主電動機検修場、台車検修場など、各種機器の検修ラインがあり、機器の整備を行っています。
(クリックで拡大)工場の内部。
(クリックで拡大)工場外観。

車体更新場(2017年に竣工/約8,000m2

工場と一体化した建物で、2015年から2017年にかけて約40億円で建設され、2017年10月から稼働を始めました。
内部にはトラバーサーがあり、工場側から入場した車両を1両単位で更新可能な線が3本、洗浄ブース、集塵ブースが各1本あります。

工場詰所(第2期工事で建設/343.64m2

工場に隣接する建物です。開業当初の車両基地内の建物では一番最後に建設されました。
TXでは車両の整備を西武車両株式会社に委託しており、この建物には「西武車両守谷事業所」が入っているようです。

シート格納庫(第1期工事で建設/165.71m2

気吹線(31番線)の脇にあり、31番線に対してはプラットホーム型に屋根が張り出しているだけです。
シートを搬送するためにモノレールクレーンがあり、シートを清掃するために気吹洗浄設備を備えています。シート以外でも車内の清掃が可能です。

床下洗浄庫(第1期工事で建設/162.30m2

気吹線(31番線)にあり、気吹による床下洗浄設備があります。

保守用詰所(第1期工事で建設/55.85m2

保守基地にある詰所です。

保守用車両庫(第1期工事で建設/469.22m2

ちっちゃい車両庫です。中にいるのは保線用牽引機で、西武の紋章が付いているものもあります。
保線関係も西武系の会社に委託しているようです。

非常用自動車庫(102.09m2

庫内にはモノレールクレーンがあります。

※第1期工事は2001年8月2日~2003年5月2日に施工
※第2期工事は2003年5月2日~2005年上半期に施工
※乗員管理所分室工事は2008年4月1日~2008年8月31日に施工

車両基地内の線路

入出庫線(1・2番線 / 有効長:197m・181m)

車庫入口に2本並んでいる電化線です。基地への入出庫に使われるほか、基地内の入れ換えで使用されます。ATCと手動運転の切り換え地点で、ここより車庫側は手動運転、本線側はATCとなっています。1番線からは工場方面の授受線には進入できません。
将来に備えて、すでに8両分の有効長が確保されています。基地入り口付近で単線となり守谷駅に続いていますが、引上線と併せて複線に増設する工事が2017年度に完成する予定です。

引上線(3番線 / 有効長:141m)

入出庫線の隣に並んでいる電化線です。基地内の入れ換えで使用されます。

留置線(1~20番線 / 有効長:141m)

車両の留置を行う電化線です。3ブロックに分かれていて配電区分がそれぞれ異なり、将来に備えて総合管理所側に2両分の用地が確保されています。
現在、6両編成20本を夜間留置しています。

留置線(21・22・41・42番線 / 有効長:320m程度)

開業時は141mの21・22番線が存在し、各1編成のみ留置できる設備でしたが、将来的に361mに延長可能で、8両編成2本を縦列留置できる設計になっていました。
2013年度にこのスペースを活用し、有効長320m程度に延伸することで、21・41番線、22・42番線として6両編成2本を縦列留置しています。
現在、6両編成4本を夜間留置しています。

留置線(番線不明の3線 / 有効長:不明)

2019年度末までに更に6両編成3本を留置可能な留置線を増設する予定です。

洗浄線(23・24番線 / 有効長:141m)

留置線と臨修庫の間の電化線です。途中で2本に分かれ23・24番線となっています。
1線部分には車両自動洗浄装置が薬洗、水洗の順に設置されており、ここを通って自動的に洗車が可能です。2線部分には洗浄台が用意されていて温水配管設備があります。
前面の洗車用に車両前面洗浄台もあります。将来に備えて、総合管理所側に2両分の用地が確保されています。
現在、6両編成2本を夜間留置しています。

臨修線(25番線 / 有効長:348m)

臨修庫につながる電化線です。臨修庫に編成全てが入らないため、編成をばらさずに秋葉原側の先頭車の検査が出来るよう、非常に長い線となっています。そのため隣の検車庫よりも大幅に張り出しており、正門の目の前まで線路が引かれています。
8両編成化の時には臨修庫そのものを拡張することで、編成をばらさず検査できるようにする計画です。

月検線&列検線(26~28番線 / 有効長:148m)

検車庫へつながる電化線です。月検線は交流加圧も可能です。
2008年度以降、6両編成3本を夜間留置しています。

転削線(29番線 / 有効長:296m)

気吹線と検車庫の間にある電化線です。転削庫が途中にあります。
有効長は8両分以上ありますが、固定編成のままで秋葉原側の先頭車の転削を行うのは不可能でしょう。

授受線(30番線 / 有効長:191m)

工場・気吹線方面と車庫を結ぶ重要な電化線です。気吹線に続いています。

気吹線(31番線 / 有効長:320m)

シート格納庫と床下洗浄庫があります。工場への入場もこの線を介して行われます。転削線と同様、固定編成のままで秋葉原側の先頭車の清掃を行うのは不可能でしょう。
途中までは架線があり電化されていますが、末端部分は架線がなく、車両の搬入や解体が出来るようになっています。
車両搬入ではトレーラーで車庫まで陸送し、気吹線末端部分で台車と車体を結合させて搬入しました。

整備線&入出場線(51~53番線 / 有効長:135m)

工場に通じる線で、整備線は交流加圧が可能な電化線で、入出場線は非電化となっています。
2008年度以降、工場入場車が無い日は整備線に6両編成1本を夜間留置しています。
(クリックで拡大)引上線留置車両と、入出庫2番線で稼働中の屋根上監視装置。
(クリックで拡大)気吹線末端から搬入される2008年度新製車。
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