東海道・宇都宮・高崎線へのE235系投入と転属

E235系投入によるE231系、E233系の東海道・宇都宮・高崎線からの撤退と各地への転属。

「東海道・宇都宮・高崎線へのE235系投入と転属」について

2018年に入り、宇都宮線、高崎線、東海道線へのE235系投入、E231系近郊タイプの転属が、2015年時点で検討されていたことが明らかになりました。実際の転属は数年後になる見通しですが、2020年1月現在の情報をまとめます。

東海道・宇都宮・高崎線へのE235系投入

山手線向けE235系 山手線に続き、2020年5月から総武快速・横須賀線への投入が予定されているE235系。
2020年1月現在、E235系は山手線向けの投入が完了し、総武快速・横須賀線向けを2020年度から投入することが公式発表され、4年間で投入を終えるとの報道があります。そして、2017年から労組レベル、2018年から報道レベルで東海道・宇都宮・高崎線向け投入に関する情報が出ています。

明らかになった東海道・宇都宮・高崎線向けE235系

2017年に外部へ公開された労組資料によると、2015年5月に「車両取替中長期計画の策定変更版・ベストプラクティス(以下、元資料)」が内部向けに公表されたことが伺えます。
元資料への質問の中で、「宇都宮線・高崎線へのE235系投入計画」へ言及していることから、元資料にそのような記載があったと考えられます。また、元資料への掲載を直接的には読み取れないものの、東海道線向けE235系へ言及している部分があります。
この労組資料から、東海道・宇都宮・高崎線へのE235系投入計画が明らかとなりました

投入順序の変更

一方で、労組資料では、総武快速・横須賀線向けE217系の置き換えについて、「小山・国府津・高崎のE231系を転用」できないのか、と労組から会社へ提案している部分があります。つまり、この時点でのE235系の投入計画は東海道・宇都宮・高崎線向けが先、総武快速・横須賀線向けが後だったと考えられます。
その後、2018年9月2日付のプレスリリース(PDF)で、総武快速・横須賀線向けE235系が2020年より順次投入されることが明らかとなり、2018年9月3日付産経新聞に「高崎線、東北線などにも順次投入する方針」との記事が掲載されました。報道レベルで宇都宮・高崎線向けが投入されるとの情報が出てきたものの、順序は変更となり、総武快速・横須賀線向けが先に登場することが明らかになりました

まとめ

東海道・宇都宮・高崎線向けE235系が明らかになった時系列

E231系・E233系の現状(参考)

E231系、E233系の現状を簡単にまとめます。
E231系(近郊タイプ)外観 E231系(近郊タイプ)は2000年~2007年にかけて投入され、2023年時点で車齢16年~23年、2030年時点で車齢23年~30年となります。
E233系(3000番台)外観 E233系(3000番台)は2007年~2017年にかけて投入され、2023年時点で車齢6年~16年、2030年時点で車齢13年~23年となります。

2020年時点のE231系配置状況

運行路線(系統名)東海道線・宇都宮線・高崎線・湘南新宿ライン・上野東京ライン
配置区所小山車両センター国府津車両センター
区分前期編成後期編成
配置数5連28本・10連41本5連7本・10連8本5連34本・10連42本
新製年2004~2005年(G車)
2000~2003年(その他)
2006~2007年(全車)2000~2003年(編入車)
2004~2006年(その他)
補足モノクラス10連で投入後、グリーン車を組み込み。2015年から2018年にかけてT車以外の機器更新を施工。高崎線、宇都宮線のグリーン車連結率を100%にするため投入された後期編成。前期編成グリーン車組み込みにより、余剰になった付随車を基本編成6・7号車の大部分に組み込み。
編成構成一覧は車両概要:E231系に掲載しています。

2020年時点のE233系配置状況

運行路線(系統名)東海道線・宇都宮線・高崎線・湘南新宿ライン・上野東京ライン
配置区所国府津車両センター小山車両センター
区分初期編成量産編成
配置数5連2本・10連2本5連19本・10連15本5連18本・10連16本
新製年2007年(15連1本)
2010年(15連1本)
2011~2012年
2015年(5連2本)
2017年(5連2本)
2012~2013年
2014年(5連2本)
2015年(5連1本)
補足E217系機器更新、武蔵小杉駅開業に対応して、東海道線のE217系を総武快速・横須賀線へ戻すため(詳細)、2007年と2010年に各1編成を投入。東海道、宇都宮、高崎線の211系置き換えのため、2010年から2012年に田町車両センター、高崎車両センター本所へ投入された編成。転属後に付属編成4本が増備。宇都宮、高崎線の211系置き換えのため、2012年から2013年に高崎車両センター本所へ投入された編成。転属と前後して付属編成3本が増備。
編成構成一覧は車両概要:E233系に掲載しています。

投入順序が変更される前の動き(2017年以前)

2017年以前の計画については、労組資料や工場公開での状況から大枠が伺える状況でした。

東海道・宇都宮・高崎線からの転出

東海道・宇都宮・高崎線へのE235系投入 基本91編成、付属69編成が所属する大所帯のE231系近郊タイプ。
近郊線区のE231系については、2015年から始まった前期編成の機器更新が、下記の通り一部の車両にしか施工されなかった(参考)ことから、転用を考慮している可能性が指摘されていました。また2017年5月の大宮総合車両センター公開では、当時機器更新中だった前期編成の機器更新資材に「転用改造工事」との記載があり(参考)、何らかの転用準備改造を行っているとの推測がありました。
2018年5月に明らかになった労組資料では「東海道・宇都宮・高崎線E231系転用に対しての時期及び改造計画」への言及があり、元資料に記載されていたと考えられます。一方、常磐快速線E231系についての言及もありましたが、こちらは元資料への記載が確定できない状況でした。

E231系近郊タイプ前期編成の機器更新(参考)

小山車両センター所属の前期編成については、下記のように一部の車両のみ機器更新が行われています。
黒磯・前橋
熱海
小山車両センター所属E231系1000番台基本編成(更新)
  • 縮小
  • 詳細
10号車 9号車 8号車 7号車 6号車 5号車 4号車 3号車 2号車 1号車
WC 2階建て 2階建て
WC
クハE231
6000A
ロング
サハE231
1000A
ロング
モハE231
1000C
ロング
VVVF
SC112
IGBT
モハE230
1000C
ロング
SIV
SC114
IGBT
CP
サハE231
6000A
ロング
サロE231
1000A
グリーン
サロE230
1000A
グリーン
モハE231
1500C
ロング
VVVF
SC112
IGBT
モハE230
3500C
セミクロ
SIV
SC114
IGBT
CP
クハE230
8000A
セミクロ
更新済1 未更新 更新済1 更新済2 未更新 更新済1 更新済1 更新済2 更新済2 更新済2
宇都宮・籠原
熱海
小山車両センター所属
E231系1000番台付属編成(更新)
  • 縮小
  • 詳細
15号車 14号車 13号車 12号車 11号車
WC
クハE231
8000A
セミクロ
サハE231
3000A
セミクロ
モハE231
1000C
ロング
VVVF
SC112
IGBT
モハE230
1000C
ロング
SIV
SC114
IGBT
CP
クハE230
6000A
ロング
更新済2 未更新 更新済2 更新済2 更新済2
更新済1:大宮公開で機器更新工事の件名が確認されている号車。
更新済2:床下機器のみから機器更新済みと確認されている号車。

各地方線区へのE231系転入

信越・篠ノ井・中央線向け211系 元資料での置き換え言及があったと思われる信越・篠ノ井・中央線向け211系。
労組資料の中で、長野総合車両センターに関して「(会社)基本的には211系をE231系へ置き換えたい」との記述、「(組合)仙石線は現状205系が走っているが、E231系への置き換えとの話がある」との記述もありました。長野地区へのE231系の転入は元資料に記載されていたと考えられますが、仙石線E231系については元資料への記載の有無が分からない状況でした。
また、長野総合車両センターに関しては「(組合)松戸車両センター所属E231系へのトイレ設置の考え方を明らかにすること」との記述があり、信越・篠ノ井・中央線向けの一部は、松戸車両センターからの転入が元資料に記載されていたと考えられます。

投入順序が変更された後の動き(2018年以降)

投入順序が変更された後は、一切情報が出ていないため、転用先を推測するのは困難な状況となりました。

東海道・宇都宮・高崎線からの転出

特にE231系前期車は、置き換えの順序によっては、単純な老朽取替の対象になりかねない時期になります。
東海道・宇都宮・高崎線向けE231系は1255両、E233系は525両で、仮に2023年度から年250両ペースで置き換えても、7年後の2030年度までかかる計算です。その両数から、他線区向けE235系と並行、または複数回に分けて導入されるかもしれません。
仮にE233系を先に転出させた場合、E231系は全車両それなりの経年まで使用できることになります。

各地方線区への転入

転入先についても、別の労組資料から幕張車両センターにモニタリング保全体系の新形式ワンマン車を投入する計画が明らかになっており、同形式の他線区への投入が想定されます。また、地上設備の更新とリンクして蓄電池車の導入も想定できます。ここ数年の流れにより、2017年時点より、転用の幅が狭くなっているように思います。

今後の見通し

以上より、2018年以降の予測が困難なものの、大まかな見通しをまとめます。

普通車の今後について

中央総武緩行線からの転出の場合、先頭車、電動車の大部分が転用されましたが、東海道・宇都宮・高崎線については両数が多く、一部が編成単位で東京近郊に残り続けない限り、廃車が発生することが見込まれます。
一方で、労組資料では地方線区では2回目の機器更新により経年40年までの使用を視野に入れること、機器更新とリニューアルを併施するリニューアル保全化(新車化)を検討していることが書かれており、転用車は長く使われるかもしれません。
置き換えが遅くなれば、経年廃車まで転用しない車両も出てくることになります。

グリーン車の今後について

中央快速線のG車イラストが両開きドアへ改訂される以前は、そのまま中央快速線に組み込む噂がありました。
イラスト改定後も、中央快速線のE233系0番台が経年廃車となった時点で、比較的新しいグリーン車を活用するためには、E233系0番台に近い世代の古いグリーン車が残存していることが合理的であるため、東海道・宇都宮・高崎線向けのE235系の一部は、E231、E233系の捻出グリーン車を組み込む(将来的に中央快速線向けグリーン車の転入で置き換える)のではという予測があります。

転用が考えられる線区

線区2020年度編成数コメント勝手な予想
信越・篠ノ井・中央線211系6連14本・3連36本元資料(2015年時点)にE231系による置き換えが記載。可能性あり
【*1】
上越・両毛・吾妻線211系6連7本・4連23本2連、3連が存在していたが、211系置き換え時に整理。
仙石線205系4連17本労組資料(2017年時点)にE231系による置き換えが記載。
房総各線千葉近郊209系6連26本・4連42本新型ワンマン車、千葉スルーの関係で所要は増減。
房総各線末端区間別の労組資料によると、新型ワンマン車導入予定。可能性低い
【*2】
宇都宮・日光線205系4連12本E531系の絡みも出てくる線区。
相模線205系4連13本情報なし。トイレ不要。
鶴見・南武支線205系2連3本・3連9本燃料電池車FV-E991系を試験導入。先頭化改造必要。

【*1】可能性あり

2017年以前に、信越・篠ノ井・中央線向け211系(長野総合車両センター)は元資料、仙石線向け205系(仙台車両センター)は労組資料に、それぞれE231系導入が明記されていました。置き換え時期が変わり、投入される形式が変わる可能性はありますが、他線区の需給を考えると、転入車が来る可能性がありそうに思います。
上越・両毛・吾妻線向け211系(高崎車両センター)も比較的長編成で、転入車を受け入れやすい編成となっています。

【*2】可能性低い

これらの線区はいずれも長編成の新系列が導入されている配置区所で、かつ、編成が比較的短く、モニタリング保全体系の新型ワンマン車が導入される可能性があります。
中でも鶴見線・南武支線は燃料電池車FV-E991系を試験導入予定で、架線レス化される可能性があります。
スポンサーリンク
戻る HOMEへ
タイトルとURLをコピーしました